(質問)
パブリックコメントの総括について 現環境清美工場における火災や不具合などのニュースが出るたび、新クリーンセンター建設はどうなっているんだ、と市民の皆様からお声をいただくことは私自身も多くあり、わが会派としても、この問題を市民の多くの皆様の望まれる形で解決することが重要であると考えております。そこで、2点お尋ねをします。
(問1) 1点目、意見公募、パブリックコメントのことですが、令和6年3月29日から令和6年5月31日までの間、「新クリーンセンター施設整備基本計画(案)」を公表し、案に対するご意見を募集していました、わが会派の横井議員が、6月議会の代表質問にて、その集計、中身について問い、その中で、9割が好意的意見であった旨の答弁がなされたわけですが、その後、このパブリックコメントの結果をどのように総括、受け止めをしているのかお答えください。
(答1) まず、新クリーンセンター施設整備基本計画(案)等にかかるパブリックコメントにおきましては、1,859通で、意見総数4,823件に上りました。 これまで、市の様々な計画策定や条例制定に先立ち、パブリックコメントを実施してまいりましたが、新クリーンセンター建設事業と同様に困難事業であり、2,229通の意見をいただいた新斎苑基本計画(案)の策定時と匹敵するほどで、市の多くの施策の中でも群を抜いて、市民の皆様の関心が高い事業であることの現れではないかと感じております。 いただいたご意見からも9割以上が好意的に受け止められ、市が考えた新クリーンセンターのビジョンが間違いではなかったと自信を深めるとともに、市では想定できないようなアイデアをいただく中で、その気づきにいかに対応するかという部分が重要であると認識したところでございます。 パブリックコメントの結果については、市のホームページで公表するとともに、自治会長研修会や地元の皆様への戸別訪問において、クリーンセンター建設事業を説明する中でも報告致しました。 また、今回、パブリックコメントでは、クリーンセンターの早期建設を求めるご意見が多く寄せられ、1日でも早く建設してまいりたいと決意を新たにしたところでございます。
(問2)
ついで2点目お尋ねします。この9月2日に正式に七条の県立養護学校が平松にある旧医療センターの跡地への移転する旨が県から発表されたわけですが、このことについては3月議会でも一般質問させていただき、その際に、 新クリーンセンター事業推進に向けて懸念事項のひとつが解決できる見通しがたったというお答えでありましたが、今回、正式な発表があったこともあり、改めてこのことの受け止めについて問いますので、お聞かせください。
(答2) 新クリーンセンターの建設にあたりましては、これまで七条地区を候補地として事業を進めようと考えておりましたが、議会の皆様をはじめ、地域の皆様からも候補地選定のプロセスにご理解いただけないことから、あらためて策定委員会でご審議いただこうと考えておりますが、過去、七条地区を含め、策定委員会で候補地に関して選定基準等をご議論いただいた際には、県立養護学校からの離隔を考慮すると一定の敷地面積が確保できないとして、候補地から除外された経緯がございましたが、今回、県が奈良養護学校の移転先候補地を公式に表明されたことで奈良養護学校の移転が前進するものと受け止めております。 結果として、新クリーンセンターの建設候補地選定におきましても、過去の除外要因が解消されるものと理解しており、先の策定委員会でも是認していただいた「七条地区」も有力な候補地の一つとして、あらためて策定委員会で審議いただけるのではないかと考えております。
(追加質問)
ご答弁にもありましたように、1859通、意見総数で 4823件、こんなにも多くの方がパブリックコメントとして意見を寄せてくださっているわけです。 この事業を前に進めることは、市長としての責任であり、 ぜひとも、萎縮することなく、勇気をもって全身全霊をかけて実現を目指していただきたいと存じます。 そこで、本事業を前に進める市長の覚悟を改めてお聞きしますので、お答えください。
(追加質問回答)
新クリーンセンターという、いわゆるその難局をですね、どのようにこれから切り開いていくのかということで御質問をいただきました。 やはり新しいクリーンセンターの施設の整備ということにつきましては、緊急的な課題であり、市民の皆様に必要不可欠なものであるということにつきましては、これは全ての市民の皆様、議会の皆様も皆さん同じ思いだというふうに思っております。やはり現在の工場の老朽化の状態などを含めまして、やはり早期に解決しなければならないという問題であります。一方で具体的に場所を定め、そして事業を進めていく中では、当然賛成の声ばかりではございません。様々な御懸念を持たれる方、また様々なお考えの方、総勢35万人、お住まいでございますので、たくさんの幅広い価値観や、意見があるものと認識をいたしております。新斎苑の事業を進める際もそうでございましたが、様々な意見がある中でどのように意見を集約をし、判断、そして決断をしていくのかということが、大変重要であり、かつまた難しい問題でもあると考えております。 私といたしましても、この約15年間にわたりまして、前任市長時代から長年の懸案でございました、このクリーンセンター事業、引き継がせていただきました。様々な努力や、様々な取組を重ねてはまいりましたが、やはり結果として現時点で新しい施設が稼働出来ていないということについては、大きな責任も感じているところでございます。 一方でここ数年といいますかここ最近の社会情勢の変化というところを見てまいりますと、特に、自然災害の激甚化などでも、気候変動や環境問題が我々の日常生活に与える大きなといいますか致命的なダメージを目の当たりにすることが増えてまいりました。ごみ問題もまさに同じでございます。ごみをはじめエネルギーの問題を我々がどう向き合い、乗り越えていくのか、その際には、やはり単なる迷惑施設という従来型のイメージや発想だけではなくて、新しい価値を生み出す、いわゆるごみを宝ととらえると我々表現しておりますが、その価値観をいかに多くの方々と共有できるのか、そして批判よりも提案を、そして具体的な決断をしていくために、どのように力を合わせていけるのかということが重要だと思っております。 引き続き、その点につきましては、私が先頭に立ちまして、職員を初め議員の皆様、また、市民の皆様と一緒に、奈良市が抱える共通課題をしっかりと解決をするために、全身全霊で当たってまいりたいと考えております。
(意見・要望)
新クリーンセンターの建設でありますが、 我が会派は建設的な議論を通じて、多くの市民の皆様にこの市政の重要課題について、深くご理解いただけるよう、 努力を続けて参りました。 パブリックコメントを寄せていただいたり、今日もこうして議会の傍聴にお越しになったり、中継をご覧の方もあるかと思いますが、市政に対し様々な形で関心をお寄せいただいている皆様に対し、一方通行でなくて、双方向のコミュニケーションに依って、市政を前に進めていくことは私たちの責任であると思います。 それは時に辛く苦しいいばらの道でありますが、仲川市長におかれましても、こうしてパブリックコメントをお寄せいただいた皆様のお気持ちに応えるべく、粘りづよく、この難局を切り拓くんだという、気概を持って事業を進められることを改めて期待申し上げます